[ g i f t ]  ひりゅうsama(HOME = 『Walk in the Blue Sky』)

ひりゅうさんのサイトのキリ番を踏みましたー(嬉)。count 100 & 300 HIT♪で頂きました。リクは「すれ違い」でした。

2002.6.25 から隠し込んでました。すいません(汗)。

でも今回お目見え〜と言う事で許して下さい。

ひりゅうさんのHOMEにもあるし・・・ってフォローになってないわ(大汗)。

【蒼き蕾 】

突然、耳に突き刺さるようなブレーキ音。そして・・・
「危ないじゃないか!」
そう言って走り去る自転車の男。
(自分から飛び出してきたくせに。ひでぇやつ。)

入学式早々遅刻しそこねた身にしてみれば、校長の祝辞もただの拷問。
あくびをかみ殺しながら教室に戻ろうとすると、聞き覚えのある声。
「しょっぱなからギリギリで来た割には余裕あるんだな。」
「あぁ?・・・おまえ、今朝の・・・。」
「余裕を持って行動しないとまた轢かれるぞ。」
啖呵を切ろうとするが、その彼はすでに人ごみにまぎれてしまう。

(ちきしょう!なんだってんだアイツは・・・)

「あいつ、試験の成績トップだったらしいよ。」
「なんでわかるんだよ?」
「新入生代表で答辞読んでただろ?あれは一番成績がよかったやつがやることらしいよ。」
「ふ〜ん。おれとは合わなそうだな。」
「同感。」

この先の未来に何があるか、知る由もない出逢いの春。


突然、目の前の景色が歪みだし、倒れこんでしまった。
救助を要請する声も、どこか遠くで聞いているような錯覚。
――神田も手伝ってくれよ。
仲間の一言によって幾分か頭がしっかりしてきて、神田の手を制しようとする。
「まだちゃんと歩けないだろう?おとなしく運ばれろ。」
よりによってなんでこいつに・・・と思うが、
抱き起こされた瞬間ふらついてしまう自分を知り諦めがつく。

「・・・ちゃんと飯食ってるのか?」
「おまえには関係ないだろう」
暫しの沈黙。
「・・・心配なんだよ。一人暮ししてるっていうし。」
目が合う。視線を外したくてもできない、なにかを訴える目。

根負け。「少し寝るから。そう伝えてくれ。」
あいつが返事をして部屋を出て行くまで、再び目を合わせようとはしなかった。

想いをぶつけることしかできなかった、その日は一番の暑さになったとか。


入学して一年も経つと、お互いのことがわかるようになる。
家族のこと、航空学校に入った動機、趣味好み、等々。
出会った頃はあれだけいがみ合っていたのに、いまは気のおけない仲間の一人。

最近学校の近くに見晴らしのいい小山があることを知り、 時間が合えば一緒に登って他愛もない話に夢中になることもある。
今日も来ているが、会話があまり続かない。

「おれにはパイロットとしての適正があるのかな・・・」
一瞬、聞こえてくる言葉の意味がわからなくなる。
「おれはおまえほど体力があるわけでもないし・・・。」
ここまで弱気になっている姿は見た事がない。
「・・・おれは、逆におまえの冷静さがうらやましいよ。」
「そうなのか?」
「ああ。おまえのアドバイスで何度か救われたし。」

「・・・夕日、きれいだな。」
「そうだな。」
「今日はおれがおまえに救われた気がする。」

こんな関係が永く続けばいい、と相手も想うことを願う晩秋の頃。


神田が親元に戻って今後の課程に参加することを聞いたのは、 入学して二年が経とうとしているときのことだった。
次の行動に移りたいが、ショックによるものなのかなかなか体が動かない。
(救われたのはおれの方なんだよ・・・)
何とか気持ちを奮い立たせて、探し始める。

「・・・ここにいたんだ。」
「おう!どうした?暗い顔して。」
「実家に戻るって聞いたから・・・。」
「あぁ。その話か。お袋一人残すのもなんだし、ね。」
「そうだよな。」
長い沈黙。場が持たない。

「おまえと出会えて良かった。ありがとう。」
差し出された神田の右手。
「こちらこそ。元気でな。」
迷い続ける気持ちを振り払うように、その手を強く握り返す。

「お互い、いいパイロットになろうな!」
「おう!」

またきっと逢える、と半ば強引に想い。
ふと見上げると桜の蕾がほころびかけていた。

< END >


 貰った時は、自分がホムペをこんなにマジに作る事になろうとは、本当に思い付きもしませんでして(笑)。
でも、貰った物はありがたく飾ろう!!と思ってお目見え〜〜。ひりゅうさん遅くなってゴメンね。
しかし、学生時代の神栗だよ〜〜〜(嬉)。







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