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楠菊太郎 sama  (HOME = 『天然異端』)

企画返礼絵!!頂きました〜〜〜(嬉)。





夏の盛り。
ジリジリと焦げるような日差しに額から流れてくる汗を拭う。
「お〜〜〜い、栗〜〜〜っ。」
開けっ放しのドアに凭れるようにしてサンダルを放る。
両手にはじゃんけんで負けて買いに行かされたスイカと勝手に買った新製品の缶チュウハイと缶ビールがビニール袋いっぱいに。
あまりの重さに売っていたキャンペンガールのおねーちゃんが袋を二重にしてくれたほどの量で。
バレたらどやされる・・・と思いつつも、買う手は止められなかった。
家に辿り着いた安心と重さの限界に負けて、荷物を台所の床にゆっくりと置くとどっと座り込む。
固まってしまった指を伸ばしていても、在るはずの反応がまったく無い事に不振を感じる。
風が余りにも勢い良く通り抜ける為に、中央に寄せられた襖の向こうをそっと伺い見ると。

チリンと軽い音が窓の方からした。
祭りの夜店で買った風鈴だ。
二間しかない部屋の片方で、すうすうと寝息が聞こえそうなほど、あっさりと寝ている栗が居た。
余りの無防備さに肩の力が抜ける。
「お〜〜〜い、開けっ放しで良いのか〜〜〜!!ドロボー入るぞ〜〜〜。」
にじり寄って座り込んで、耳元で小さく言ってやるが反応は無い。
いつの間にやら図太くおなりで・・・笑いを押し殺して、隣りで身悶える。
しばらく寝顔なんぞを眺めても、いっこうに起きる気配もない。
しょうがないと立ち上がると、少々汗をかいた買って来たものを冷蔵庫に無理やり詰め込むと、どうやっても入りそうもない残った数本に手を掛ける。
さて、起きるまでに何本開けることになるか。
寝ちまったお前が悪いんであって、俺は悲しく一人でビール飲んでたのよって事で・・・ 何かを言われた時の言い訳をキッチリ考えて。
にやりと笑って、一本目の缶タブを抜いた。

< END >



 夏の一頁。素敵過ぎ。SSは勝手に付けました。






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